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日本発祥の高級ビニール傘、ホワイトローズ

日本発祥の高級ビニール傘、絶滅の危機!?「ホワイトローズ」が守る伝統の技

 

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現在、ビニール傘といえば、どこでも手軽に買える安価なアイテムとして定着していますが、その起源をたどると、日本発祥の高級品だったことをご存じでしょうか。かつて高級品とされていたビニール傘を作り続けているのは、今やホワイトローズ株式会社のみ。台東区寿にある創業享保6年の老舗、武田長五郎商店がその歴史の中で生み出したビニール傘は、かつて高貴な品とされ、現在でもその技術とこだわりが光り続けています。

 

高級ビニール傘の起源と革新

 

ビニール傘と聞くと、まず思い浮かぶのは「安価で手軽」というイメージかもしれませんが、実は日本でのビニール傘の発展は、まったく異なるものでした。武田長五郎商店(現在のホワイトローズ)は、日本初の高級ビニール傘を開発した先駆者です。この傘は、当時の技術を駆使して、長く使える丈夫さと美しさを兼ね備えた製品として、上流階級の人々にも愛されていました。

 

その後、1980年代の円高不況によって、多くの国内傘メーカーが製造拠点を中国に移し、安価な輸入品の台頭により、日本国内のビニール傘業界は大打撃を受けました。しかし、そんな中でもホワイトローズは独自の路線を歩み続け、現在もその高品質なビニール傘を製造しています。

 

テラ・ボゼン 13,200円(税込)

仕込傘信のすけ19,800円(税込)

風速15m/sでも壊れないようです。

 

高級感を追求した「かてーる16桜」

 

ホワイトローズの代表的な製品のひとつが、「かてーる16桜」。これは、従来のビニール傘とは一線を画す、非常に緻密な作りをしています。通常のビニール傘ではなく、高級洋傘に使われる仕様と同じく、ビニール部分は三層構造になっており、EVA樹脂をポリエチレンで挟み込むことで、耐久性が大幅に向上。生地同士が癒着しないように作られ、どこか高級感を感じさせる佇まいです。

 

その結果、価格は1万円を超えるものの、その価格に見合った高品質さがあり、長く使えることが保証されています。使いやすさを考慮した技術と、伝統の技術が融合したこの傘は、一般的なビニール傘とはまったく別物であることが分かります。

 

「選挙用傘」としても大注目

 

さらに、ホワイトローズのビニール傘は、その特徴的な透明感を活かして、特に選挙活動で重宝されています。透明なビニールのため、差している人の顔が見えやすいという特長を生かして、選挙用の傘としても広く利用されています。この独自のマーケティング戦略が功を奏し、現在でも国内で唯一、ビニール傘を製造し続けることができているのです。

 

また、同社は美智子妃からの特注品の依頼も受けた実績があり、宮内庁御用達として名を馳せたこともあります。こうしたエピソードが、ホワイトローズの製品の信頼性や高品質を証明しているといえるでしょう。

 

絶滅の危機にある高級ビニール傘

 

現在、ホワイトローズ以外の多くの企業が撤退する中で、高級ビニール傘は絶滅の危機に瀕しています。大量生産・大量消費の時代において、手作りやこだわりの技術を守ることは非常に難しいことです。しかし、ホワイトローズはその伝統を守り続け、現在もなお、日本の傘業界において重要な存在となっています。

 

今後もその高品質なビニール傘が、多くの人々に愛され続けることを願ってやみません。高級ビニール傘の魅力を再発見し、次世代にもその価値を伝えていくことが、私たちの使命かもしれません。