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国道4号線 二本松バイパスドライブイン ドキュメント72時間

「国道4号線 ドライブインは眠らない」—24時間営業のドライブインで交差する人々の物語ドキュメント72時間

今回の舞台は、福島県二本松市の国道4号線沿いに位置する、24時間営業のドライブイン。ボリューム満点の料理や、リラックスできるお風呂まで提供されるこのドライブインは、日々、多くの人々に支えられながら営業を続けています。ドライブインが舞台となったこのドキュメンタリーでは、24時間営業の特異な空間で過ごす乗客たちの姿が描かれています。

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常連客たちと交わされる思い出の味

初日の2月21日、昼間から始まった撮影では、ホルモンの煮込みを楽しんでいる男性に話しかけました。男性は50年以上通っている常連で、この店の味をこよなく愛しているとのこと。周りを見渡すと、仕事の合間に立ち寄ったトラック運転手や地元のシンガーソングライターなど、さまざまな顔ぶれが見受けられました。シンガーソングライターはかつて交通事故でギターを弾けなくなったが、懸命なリハビリを経て再び曲作りを始めたとのこと。自作の曲「お腹が空く歌」を披露してくれました。その一方で、仕事の後に集まる地元の消防団のメンバーたちが、相談事をここで話し合う姿もありました。

夜が更け、午前3時半を過ぎると、ソーラーパネル関連の夜勤を終えた男性たちが、定食を食べながら談笑。夜勤を終えたばかりの彼らの疲れを癒すのは、どこか懐かしくて温かい雰囲気のこのドライブインです。

雪の降る中で交差する日常

2月22日、雪の降る中、早朝にやって来た常連客が語ったのは、家族のためにモツ煮を買い求める日常でした。昼間には介護職の男性が夜勤明けに立ち寄り、サウナでリフレッシュする姿が映し出されました。深夜にはペットショップの店員が登場。彼がこの道を選んだ理由には、複雑な家庭事情と動物たちの存在があったとのこと。夜10時半過ぎには、トラック運転手だった父親と共に過ごした思い出の場所として、初めて自分の子供たちを連れてきた男性の姿も。過去と現在が交錯するこの場所で、時間はゆっくりと流れています。

家族の絆とともに育まれた思い出

2月23日、祝日ということもあり、昼間は多くの人で賑わいました。ある家族連れに声をかけると、息子が自衛隊に所属していると教えてくれました。彼は、少しでも災害が多い日本で役に立ちたいという思いから、家族を助けるために入隊したとのこと。今日はその息子がおごってくれたとのことですが、ご両親は「今日は特別おいしかった」と満足そうな表情を見せました。

また、シングルマザーで育児に追われた時代を支えてくれたのがこのドライブインだったという女性にも出会いました。娘が小さい頃、一人分を分け合って食べていたその記憶が今でも心に残り、家族とともに通い続けていると言います。店員がその気持ちを察して、温かく気遣ってくれたことが嬉しかったとのこと。

ドライブインで感じる「人の温かさ」

最後の日となった2月24日、昼時に訪れた家族連れの会話にも心温まるエピソードがありました。運送会社の社長が、社員の朝食として焼き魚定食をテイクアウトしていた様子が映し出され、続いて訪れた中学生男子4人組が、このドライブインに通うことを決めたと話していました。どこにでもありそうな日常風景ですが、その中には小さなドラマが息づいています。

このドライブインは、ただ食事を提供する場ではなく、人々が集まり、思い出を共有し、癒される場所。24時間営業という特異なシステムの中で、時間に縛られることなく、それぞれが自分のペースで過ごすことができるこの場所が、多くの人々に愛され続けている理由がよくわかります。

 

ドライブインは、どこ?

舞台となったドライブインは、レトロな外観の「二本松バイパスドライブイン」所在地は、〒964-0862 福島県二本松市杉田駄子内47

終わりに

「国道4号線 ドライブインは眠らない」のドキュメンタリーは、24時間営業という枠を超えて、この場所に集う人々の物語を描いています。日常の中にひっそりと息づく人間ドラマに触れながら、ここが単なる食事の場ではなく、絆を深める場所であることを実感できました。