中尾ミエ・和田秀樹『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』
を読んだ感想、
この本では、60代を迎える男女の老化の違いについて、特に男性の老け込みが激しい原因と、その背後にある男性ホルモンの減少について掘り下げられています。中尾ミエさんと和田秀樹医師の対談形式で進められ、非常に興味深い視点が紹介されています。男性ホルモン、特にテストステロンが年齢とともに減少することが、男性の体力低下や意欲の喪失、社会的な孤立を引き起こす原因であるという点に焦点が当てられています。逆に、女性は閉経後に男性ホルモンが増加し、これがエネルギッシュで活発な生活をサポートするという事実も紹介され、男女間で老化の進行に大きな差が出る理由に納得させられました。
男性と女性の老化の違い:その根本的な要因とは
一般的に、60代を迎えると身体的な衰えが目立つようになりますが、特に男性の老け込みが早いという点が注目されています。その大きな原因の一つは、男性ホルモン(テストステロン)の減少です。40代から50代にかけて、男性ホルモンは徐々に低下し、その影響で筋肉量が減少し、代謝が悪化します。これにより体力が低下し、意欲が失われ、社会的なつながりも希薄になることが多くなるのです。退職後に家にこもりがちになり、身近な人とのコミュニケーションが減ることも一因です。
一方で、女性は閉経後に男性ホルモンが増えるため、意欲が高まり、社交的になりやすいといいます。年齢を重ねるにつれて、女性はむしろ積極的になり、趣味や旅行などを楽しむことが増える傾向があるのです。この「元気ホルモン」とも言える男性ホルモンの働きが、女性にとっては老化を遅らせ、活力を与えているというのはとても興味深いポイントです。
男性ホルモン治療の可能性
本では、和田秀樹医師が提案する男性ホルモン治療の重要性についても言及されています。テストステロンを補うことで、筋肉量の回復や意欲の向上が期待でき、結果として介護が必要な高齢者が減るとされています。実際に、エベレスト登頂を果たした三浦雄一郎さんも、男性ホルモン補充治療を受けたことで、80歳で再び体力を取り戻したという事例が紹介されています。このように、男性ホルモンが「元気ホルモン」として老化防止に役立つ可能性があるというのは、非常に希望が持てる話です。
まとめ
この本を読んで、年齢を重ねることに対する不安が少し和らいだ気がします。男性ホルモンの減少が老化を引き起こすという事実は衝撃的ですが、それに対処する方法もあるという点で、前向きな気持ちになれました。もちろん、治療には注意が必要ですが、テストステロン補充などの方法が年齢を重ねた体を元気に保つ助けになるなら、多くの人がより活力を持って生活できるようになるかもしれません。年齢に関する常識を覆すような視点が得られ、非常に価値のある情報だと感じました。