冬のヒートショック対策:安全なお風呂の入浴法と注意点
寒い季節、心身を温めるために欠かせない「お風呂」。しかし、適切な入浴方法を守らないと、「ヒートショック」などの健康リスクが高まります。特に、寒暖差が激しい冬に多く見られるこの現象は、時に命に関わる重大な問題となります。では、どのように安全にお風呂を楽しむことができるのでしょうか?お風呂や温泉に関する医学的研究の第一人者である東京都市大学・早坂信哉教授のアドバイスを基に、ヒートショック対策やお風呂の正しい入り方を紹介します。2024年12月10日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より
ヒートショックとは?その危険性と予防法
ヒートショックは、急激な温度変化が引き起こす血圧の大きな上下変動によって、体にさまざまな健康問題を引き起こす現象です。特に冬の季節には、お風呂に入る前後の急激な温度変化が原因で、血圧が急上昇したり急降下したりします。この血圧の上下が引き起こす症状としては、立ちくらみや心臓発作、さらには浴槽内での溺死もあります。実際に、2023年には年間6885人が浴槽内で溺死しており、特に1月が最も多い月だそうです。
ヒートショックを防ぐためのポイント
ヒートショックを防ぐためには、まずお風呂や浴室、脱衣所の温度差を5度以内に保つことが重要です。浴室を暖めるために、風呂のふたを取っておくなどの対策が有効です。また、急激に体を温めたり冷やしたりしないように、シャワーでお湯をかけながら体を慣らしていくことが大切です。特に、お湯に入る前に手足の末端から少しずつお湯をかけて体温を調整しましょう。
湯船から出る際は、急に立ち上がらず、20~30秒かけてゆっくりと立ち上がるようにしましょう。また、浴槽のへりに一度座ってから立ち上がると、血圧が急に下がるのを防げます。湯船に入る前に冷たい水で手先を冷やすことも、血圧を上げるのに効果的です。
スマホを持ち込んで長風呂は危険!
お風呂のリスクとして、長風呂やスマートフォンの持ち込みも挙げられます。スマホで長時間動画を見たり、ついつい長風呂になってしまうことがありますが、これが非常に危険です。長風呂で体温が上がりすぎると、血圧が低下し、ヒートショックのリスクが高まります。特に、湯温が高いお湯で長時間入っていると、体内の水分が失われて脱水症状を引き起こすこともあります。
また、長風呂のダイエット効果についても言及されています。早坂教授によると、長風呂では消費されるカロリーは散歩程度に過ぎず、体重が減るのは脱水によるものです。代謝が一時的に上がることはありますが、長期的なダイエット効果は期待できないとのことです。
飲酒後や風邪をひいたときの入浴注意
飲酒後の入浴は避けた方が良いとされています。お酒を飲んで体温が上がると、血圧が下がり意識を失う危険性が高まります。飲酒後にお風呂に入る場合は、家族に伝えたり、万が一寝てしまわないようにアラームを設定したりすることをおすすめします。
また、風邪をひいているときのお風呂は、体調に注意が必要です。体温が37.5℃を超えると入浴は避けるべきですが、それ以下でも無理せず、自分の体調に合わせて判断することが大切です。風邪の際の入浴事故のリスクは、平熱時の16倍にもなるため、慎重に判断しましょう。
毎日お風呂に入ることで健康リスクが減少
お風呂に毎日入ることは、体調に良い影響を与えることが分かっています。早坂教授によると、毎日お風呂に入る人は、週に2回以下の人に比べて、要介護になるリスクが約3割減少するとされています。また、毎日入浴することで、質の良い睡眠が得られ、疲れが取れるサイクルが整うため、体調が良くなる効果があるのです。
さらに、毎日お風呂に入ることは、うつ病のリスクも24%減少することが分かっています。心身をリフレッシュさせるために、できれば毎日お風呂に入ることを習慣にしたいですね。
正しい入浴方法
正しい入浴方法についても早坂教授が推奨しています。お風呂の温度は40℃前後、湯船に浸かる時間は約10分が目安です。体温が0.5℃~1℃上がる程度の温まり方が理想で、額に汗が出始めたらちょうど良い温度です。半身浴よりも全身をしっかりと浸かる方が効果的とのことです。
まとめ
ヒートショックを防ぐためには、温度差を5度以内に保ち、体を急激に温めたり冷やしたりしないことが大切です。長風呂やスマホを持ち込んだ入浴は危険ですので注意しましょう。また、毎日の入浴が健康に良い影響を与え、リスクを減らすことが分かっています。お風呂を安全かつ効果的に楽しむために、正しい入浴法を心掛け、心身の健康を守りましょう。