帯広農業高校が進めるスマート農業の最前線
2024年12月28日、HBC『あぐり王国北海道NEXT』では、帯広農業高校(帯農)で行われているスマート農業の取り組みが紹介されました。この学校は、100ヘクタールにも及ぶ広大な敷地で、最先端の農業技術を学んでいる学生たちの育成の場となっています。
スマート農業に注目!
今回の放送では、帯農で行われているスマート農業に焦点を当てました。スマート農業とは、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ドローンなどの最先端技術を活用して、効率的で精密な農業を実現しようという取り組みです。特に、帯農は帯広畜産大学やJA帯広かわにしと連携し、実証実験を行いながら、農業の未来を切り開いています。
農業用ドローンの操縦実習
放送の中で、リーダーの森崎博之さんは実習畑に足を運び、農業用ドローンが飛ぶ様子を見学しました。帯農では、学生たちが農業用ドローンの免許を取得するための授業を受けています。この授業では、ドローンの基本操作や安全確認、航空法の理解を深め、農作業の効率化を目指しています。
ドローンは主に農薬散布に利用され、特に雨が降った後など、トラクターが畑に入れない状況でも空中からの作業が可能です。これにより、農作業の負担が軽減されるだけでなく、効率的な防除が実現しています。
農業の未来を担う若者たち
ドローンを操縦するのは農家出身の学生たちで、実習を通じて確かな技術を習得しています。特に、帯農2年生の及川煌司さんは、自分の農場でも活用するためにこの授業を受けており、「こういった実習の機会がありがたい」と話していました。
また、ドローンの操作に挑戦した森崎リーダーは、「農業の未来は若い君たちにかかっている」と学生たちを激励。農業は新しい世代によって進化し、次の時代を担う力となることを感じさせる瞬間でした。
スマート農業の実証実験
さらに、帯農ではスマート農業の最前線として、無人トラクターによる実証実験も行われています。この実験では、4台の無人トラクターがそれぞれ異なる作業を同時に行うという、まさに未来の農業の姿が展開されました。操作はタブレット一つで、農業従事者がいなくても、トラクターが自動で作業を進めていきます。
佐藤禎稔名誉教授(帯広畜産大学)は、これらの技術が近い未来には農業の標準となり、農業の仕事がもっと魅力的で効率的になることを期待していると語りました。
食品科学科と酪農科学科の実習
放送の後半では、帯農の他の学科の授業も紹介されました。食品科学科では、帯農で育てた豚を使ったソーセージの製造実習が行われており、生徒たちは手作業で腸詰めを行っていました。製造過程では、機械のタイミングや細かい技術が求められ、慎重な作業が続きます。
また、酪農科学科では、牛の蹄を削る「削蹄」の実習が行われ、学生たちは実際に牛のケアを学んでいます。特に、削蹄は病気予防にも繋がる大切な作業であり、学生たちは将来の酪農家として、技術を磨いています。
地域ぐるみで進めるスマート農業
帯広農業高校の取り組みは、地域全体でスマート農業を推進する一環として行われています。帯広畜産大学やJA帯広かわにしなどの地域の農業関係者が協力し、農業の効率化と生産性向上を目指して実証実験を進めています。これにより、若い世代がスマート農業に触れる機会を得るとともに、地域全体でのデジタル化が進んでいます。
まとめ
帯広農業高校のスマート農業の取り組みは、農業の未来を担う若者たちの力強い姿を映し出しています。ドローンや無人トラクターを駆使して、効率的で精密な農業を実現し、地域の農業に革新をもたらすこの取り組みは、他の地域にも波及し、今後の農業の新しいかたちを作り上げていくことでしょう。