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新プロジェクトX ゴジラ、アカデミー賞を喰う まとめ

新プロジェクトX〜挑戦者たち〜 ゴジラ、アカデミー賞を喰(く)う

放送概要

2025年2月1日(土)19:30から20:15まで、NHK総合で放送される「新プロジェクトX〜挑戦者たち〜」では、映画『ゴジラ-1.0』が第96回アカデミー賞視覚効果賞を受賞した背景に迫ります。この特集では、視覚効果(VFX)に人生をかけた精鋭たちの奮闘を描き、日本映画史上初の快挙を成し遂げた制作過程を紹介します。

受賞の背景

『ゴジラ-1.0』は、視覚効果の分野で「ハリウッドの20年遅れ」と言われてきた日本が、わずか35人のスタッフで制作した作品です。一般的にハリウッドの大作では1000人以上が関わる中、東京・調布にある小さなスタジオで、邦画最大規模の予算を持ちながらも、超低予算での制作が行われました。このような状況下で、技術者たちがどのようにしてこの番狂わせを成し遂げたのか、その詳細が明らかにされます。

山崎貴の挑戦

番組では、監督の山崎貴が受賞時の気持ちを語り、「ノミネートしてもらっただけでも嬉しい状態だった」と振り返ります。彼は1970年代にスピルバーグ監督の『未知との遭遇』に感銘を受け、VFXの道を志しましたが、日本の技術の遅れに直面しました。独学で技術を磨き、鬼才・伊丹十三の映画でVFXを担当するまでに成長しますが、理想には程遠い現実が待っていました。

プロデューサーとの出会い

山崎の人生を変えたのは、映画プロデューサーの阿部秀司との出会いです。阿部は山崎の才能を見抜き、「君の映画が見たい」と言ってくれました。彼の支援により、山崎はデビュー作『ジュブナイル』を制作し、興行収入11億円のヒットを記録します。この成功は、阿部の厳しい指導と信念によるものでした。

ゴジラへの挑戦

その後、山崎は『ALWAYS 三丁目の夕日』の続編でゴジラを登場させたいと考えます。東宝の特撮技術を駆使したゴジラは、誰もが許可しないと思っていた中、阿部は突き進みました。映画『ALWAYS続・三丁目の夕日』の冒頭にわずか1分のVFXシーンでゴジラを登場させるため、山崎組の半数を投入する非常事態が発生します。

新たな才能の発掘

番組では、SNSを通じて新たな才能を発掘する様子も描かれます。10代の学生である佐藤昭一郎は、YouTubeでVFXを独学し、山崎組のパロディを制作していました。また、業界で「ひとりハリウッド」と呼ばれる田口工亮とも出会い、彼らの才能が『ゴジラ-1.0』の制作に大きく貢献します。

制作の苦悩と成功

映画製作の追い込み時期、阿部が病に倒れ、山崎は彼の不在の中でVFXのチェックを行うことに不安を抱えます。しかし、阿部の厳しい指導が山崎の成長を促し、最終的に『ゴジラ-1.0』はアメリカで日本の実写映画史上最高の興行収入を記録し、アカデミー賞視覚効果賞を受賞します。

まとめ

この特集を通じて、視聴者は日本のVFX技術者たちの情熱と努力、そして彼らが成し遂げた快挙の裏側を知ることができます。山崎貴監督や阿部秀司の思い、そして新たな才能たちの挑戦がどのように結実したのか、ぜひご覧ください。