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がん治療の負担増?高額療養費制度 自己負担額の引き上げへ

がん治療の負担増?高額療養費制度 自己負担額の引き上げへ

近年、がん治療にかかる医療費の高騰が問題視されています。特に、2025年8月から段階的に引き上げられる予定の「高額療養費制度」の自己負担額が、がん患者に与える影響が懸念されています。この制度は、医療費が高額になった場合に自己負担額の上限を設け、その上限を超えた分を後から払い戻す仕組みです。

高額療養費制度の現状と引き上げの背景

現在、がん患者は高額療養費制度を利用することで、医療費の負担を軽減しています。しかし、厚生労働省は、医療保険の財政健全化を図るため、自己負担額の引き上げを決定しました。具体的には、年収650万円の患者の場合、月の負担上限が約8万100円から13万8000円に引き上げられる見込みです。

この引き上げに対して、がん患者やその家族からは「治療を続けられなくなるのではないか」という不安の声が上がっています。特に、子育てをしながら治療を受けている患者にとって、経済的な負担は大きなストレスとなります。実際、全国保険医団体連合会の調査によると、約46%のがん患者が負担額の引き上げにより治療の中断を検討すると回答しています.

患者の声と影響

がん治療を受けている患者の中には、治療費の負担が生活に与える影響を心配する声が多くあります。例えば、食費や生活費を削ることを考える患者が82%に達し、貯金を切り崩すことを考える人も78%に上ります. さらに、子どもの教育やレジャーにかかる費用を減らすことを検討する家庭も多く、経済的な不安が広がっています。

今後の展望

厚生労働省は、引き上げに際して長期的な治療を受ける患者の負担を軽減するための修正案を検討しています。具体的には、直近12か月の間に高額療養費制度の対象となった回数に応じて、上限額を抑える「多数回該当」の仕組みを導入する方向で進めています. これにより、長期にわたる治療を受ける患者の経済的負担が少しでも軽減されることが期待されています。

がん治療における経済的負担は、患者の生活の質に直結する重要な問題です。今後も、患者の声を反映した制度の見直しが求められます。