十日町市の魅力的な味、へぎそばの秘密
新潟県十日町市を代表する料理「へぎそば」。つるりとしたのど越しと、コシの強さが特徴的で、県内外で多くの人々に親しまれています。今回は、このへぎそばの魅力と、他のそばとは一線を画すその秘密についてご紹介します。
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へぎそばの弾力の秘密
へぎそばを食べたとき、その強いコシに驚いたことがある方も多いのではないでしょうか?実はこのコシの強さには、特別な秘密があります。それは、海藻の「布海苔(ふのり)」をつなぎに使うことで生まれる弾力なのです。
布海苔は、もともとは織物作りの際に糸に撚りをかけるために使われていた海藻で、織物産業が盛んな十日町で発展した食文化と深い関わりがあります。そばに加えることで、まるで糸を撚るようにコシの強い弾力を生み出すのです。この布海苔が、へぎそば特有のしっかりとした食感を作り上げているのです。
「へぎ」とは?
「へぎそば」という名前の由来にある「へぎ」。実はこれは、木製の器のことを指しています。地元の言葉で「剥ぐ(はぐ)」が訛って「へぐ」となり、その木を剥いだ板を使った器が「へぎ」と呼ばれています。この「へぎ」に盛られたそばを「へぎそば」と呼ぶようになりました。
ぐるぐる盛りの理由
へぎそばのもう一つの特徴は、その盛り方です。美しくぐるぐると巻かれたそばが「へぎ」の上に並べられています。この盛り方、実は「手振り」や「手繰り」と呼ばれる方法で、一口大に丸めたそばが職人の手で並べられます。このスタイルの由来には、織物の糸を撚り紡ぐ作業「かぜぐり」が関係しているとも言われています。古くからの技術と文化が息づくこの盛り方も、へぎそばならではの特徴です。
文化庁の「100年フード」に選ばれたへぎそば
へぎそばは、地域の自然風土や歴史に根差し、世代を超えて愛され続けてきた食文化として、文化庁の「100年フード」に選ばれました。「100年フード」とは、全国各地で長く愛されている伝統的な食文化を認定するもので、へぎそばはその中でも特に評価が高く、有識者特別賞にも選ばれています。この認定は、へぎそばが単なる料理ではなく、十日町の文化そのものとして根付いている証拠です。
へぎそばが食べられるお店
十日町市内には、へぎそばを楽しめる素敵な店舗がたくさんあります。もし足を運んだ際には、ぜひ以下のお店でその味を堪能してみてください。
- そば処 松苧
- そばの郷 Abuzaka
- つまり食堂
- 小嶋屋総本店
- 春日屋
- 直志庵さがの
- 名代生そば 由屋
- soba処あてま
- そばや清兵衛
- 繁蔵 田麦そば
- そば処 まるにし
- 蕎麦&だいにんぐ にし乃
どのお店でも、へぎそばの本場の味を楽しむことができるので、お好きな場所で新潟の風味を満喫できます。
まとめ
へぎそばは、ただのそばではなく、長い歴史と深い文化が詰まった、地域の誇りともいえる料理です。特にその独特の食感や盛り方、そして布海苔という海藻を使うことによって生まれる弾力は、他では味わえない魅力です。また、文化庁の「100年フード」に選ばれるほどに、十日町市の文化と人々の生活に密接に結びついている食べ物でもあります。ぜひ、十日町市を訪れた際には、その味と歴史をじっくりと感じてみてください。