「黒字でも廃業！？」後継ぎ問題を解決する「事業承継マッチングプラットフォーム」とは
12月3日放送の『クローズアップ現代』では、「黒字なのに廃業!?」という衝撃的なテーマが取り上げられました。特に注目されたのが、後継者不在で廃業を余儀なくされる中小企業の現実と、それを解決するための新しい試みです。この問題は全国的な規模で深刻化しており、番組ではその解決策を探るため、さまざまな視点からアプローチしました。
黒字でも廃業？後継ぎ問題が引き起こす経済への影響
日本では、経営者が70歳を超える企業が245万社に達し、そのうち約半数が後継者を決めていないという現実があります。昨年も、廃業した企業の約50%が黒字経営を維持していたという事実に驚かされます。このまま放置すれば、2025年までに累計で約650万人の雇用と、GDPの約22兆円が失われることになると試算されています。これは地域経済の衰退を加速させる深刻な問題であり、番組ではその解決策を追求しました。
「後継者探しのオープン化」を支援する「relay（リレイ）」
番組の中で特に注目されたのが、事業承継を支援するマッチングプラットフォーム「relay（リレイ）」の紹介です。relayは、「事業を譲りたい人」と「譲り受けたい人」を繋ぐサービスで、企業の後継者問題に対する新しいアプローチを提供しています。
事業主が自社を譲りたいという意向を表明し、その魅力やストーリーを伝える記事を公開することで、後継者候補とマッチングします。このサービスの特徴は、単なる財務的な面だけでなく、事業に込められた想いやストーリーに焦点を当てるところです。こうすることで、事業承継に対する共感を生み、より多くの人々が後継者としての道を歩むきっかけを得ることができます。
「事業承継をオープンに」という合言葉のもと、relayは従来のネガティブなイメージを払拭し、ポジティブな事業承継体験を提供しています。その結果、廃業を減らし、地域経済の維持に貢献することを目指しているのです。
後継ぎ探しの新しいアプローチを実践する事例
番組では、実際に後継者を探している企業の事例も紹介されました。三重県産業支援センターのコーディネーターである髙垣和郎さんや、relayの株式会社ライトライト取締役COOである齋藤めぐみさんが出演し、事業承継のための具体的な解決策を提案しました。例えば、「お見合いセッティング」や「異業種連携」、「事業の一部だけを引き継ぐ」など、柔軟な方法が紹介され、視聴者に新たな視点を提供しました。
特に注目されたのは、「事業承継は1つの大きな決断ではなく、少しずつ引き継いでいく形がある」という考え方です。これにより、後継者がプレッシャーを感じず、スムーズに承継を進めやすくなるといいます。
事業承継問題を解決するための新しい時代
日本が直面している事業承継問題は、もはや一部の企業だけの課題ではなく、広範囲に影響を与える社会問題です。しかし、relayのようなサービスや、さまざまな地域で行われている取り組みは、後継者探しのハードルを下げ、より多くの企業が「廃業」ではなく「継業」を選べるようにする重要な役割を担っています。
番組でも紹介されたように、事業承継は単に「次の社長」を決めることだけではなく、その企業の文化や想いを次の世代に受け継いでいくことが大切です。事業をオープンにし、積極的に後継者を募ることが、これからの時代に必要な新しいアプローチとなっていくでしょう。
まとめ
『クローズアップ現代』で紹介された「relay」は、事業承継に新しい風を吹き込むサービスであり、地域経済の衰退を防ぐための大きな可能性を秘めています。黒字でも廃業してしまう企業が続く中、後継者探しのオープン化がその解決策として注目されています。事業主の想いや地域に根ざした企業文化を次世代へと引き継いでいくことは、今後ますます重要なテーマとなるでしょう。