NHKドキュメント72時間 SP フランス・パリ 街角のマンガ喫茶で
パリの街角にある、ちょっとユニークなマンガ喫茶に密着した3日間のドキュメンタリー。フランスではまだ珍しい存在のマンガ喫茶ですが、ここでは日本のマンガが揃っており、時間制の料金で飲み放題のドリンクも楽しめます。訪れる人々は、フランスにいながら本場日本のマンガ文化を堪能しています。
6月1日(土) この日は、父親に連れられてマンガ喫茶を訪れた小学5年生の2人組が登場。最初は日本のマンガを読む順番に戸惑っていましたが、すぐに「いけないこと、しよ?」や「よつばと!」に夢中に。フランスではマンガは左から右に読むため、最初は慣れなかったそうです。さらに、5~6時間バスを乗り継いでマンガ喫茶にやって来たという女性2人組も登場。フランスではマンガ喫茶がまだ少なく、わざわざ遠方から足を運ぶ人も多いのです。
パリでの日本のマンガ人気ランキング また、パリで100人に聞いた日本のマンガ人気ベスト5も紹介。5位は「進撃の巨人」、4位は「鬼滅の刃」、3位は「ドラゴンボール」でした。
6月1日(土)午後 午後4時過ぎ、パソコンを使っている男性が登場。実は彼、フランスのマンガ出版社に勤務しており、息子たちがマンガ喫茶で遊んでいる間に仕事をしているとのこと。彼のお気に入りのマンガは手塚治虫の「火の鳥」で、日本のマンガのストーリーの深さに感銘を受けていると話しました。
6月2日(日) この日は店主が登場。18年前に大学生だった息子が発案し、マンガオタクとしての情熱を込めて始めたというマンガ喫茶。午後2時に開店し、客が続々と訪れます。家族連れの客が、初めてマンガに触れる中で「深夜食堂」を薦められ、数時間読みふける姿が印象的でした。帰り際、マンガの続きを読みたくなったと話す女性もいました。
6月3日(月) この日は、マンガ喫茶で出会った日本語が堪能な男性が働く出版社を訪問。そこで彼は、日本のマンガ業界のトレンドや販売傾向について語りました。特に、欧米では日本のマンガのラブコメがあまり受け入れられない理由についても触れ、文化の違いを実感させられました。
パリでのマンガ人気ランキング(続き) また、パリでのマンガ人気ランキングの続きも発表。2位は「NARUTO(ナルト)」、そして1位は不動の人気を誇る「ONE PIECE」でした。
6月3日(月)午後 1階のマンガ売り場で出会った男性客。彼は失業中で就職活動に苦しんでいましたが、13歳の頃からマンガに親しんでおり、マンガを通じて自分の苦境を乗り越えたと語ります。彼は、「マンガでは肌の色や外見ではなく、キャラクターの人格や魂が最も重要だ」と語り、マンガが持つ普遍的な魅力を感じさせてくれました。
6月4日(火) 最後の日には、入院中の息子にマンガを差し入れする母親や、近所に住む中学生などが店を訪れます。日常の中でマンガがどれだけ人々に寄り添い、癒しを与えているのかが伝わってきます。
このドキュメンタリーは、パリのマンガ喫茶を通じて、フランスにおける日本のマンガ文化の広がりと、その魅力に触れる貴重な瞬間を映し出しています。