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ドキュメント72時間 福島 真冬のアイスクリーム店で NHK

 

福島県伊達市にある一軒のアイスクリーム店が舞台となった今回の『ドキュメント72時間』。30年間、地元の人々に愛され続けてきたこのお店は、冬の寒さの中でも多くの人々が訪れる場所です。なぜ、こんなにも寒い季節に、山の上でアイスクリームを求める人々が集まるのでしょうか?その理由とともに、この場所で交わされる心温まるエピソードをご紹介します。


2月3日(土)

撮影初日、最初に訪れたのは海沿いの街からやってきた男性。彼は冬でもアイスを食べる理由について、「冬にビールを飲むのと同じ」と語り、寒い季節でも変わらぬ楽しみとしてアイスを楽しんでいました。アイスの種類は20種類ほどあり、季節限定の味もあります。その後、自転車で5時間かけてやってきた団体客や、近くに住む夫婦が訪れ、食べ納めとしてアイスをシェアするなど、それぞれに楽しみ方があることが伝わってきました。

また、気温0度の中でアイスを食べる男性に理由を聞くと、風呂上がりで体が温まっているため、アイスがちょうどいいと答えました。夕方には、剣道の推薦で高校に入る娘さんと共に来店した家族や、農家で日課としてアイスを食べる男性が訪れ、店はあたたかい雰囲気で満たされていました。


2月4日(日)

2日目は、アイスクリーム店を経営する家族が経営する牧場に訪れ、アイスに使うミルクを搾る様子を取材しました。毎朝、家族が休むことなく乳搾りを行っており、30年前に酪農だけでは厳しい生活が続く中、アイスクリーム店を始めたことがわかります。

午前中、アイスを買いに来た常連客の男性は、福島の除染や復旧作業に携わってきた人でした。午後には、仕事帰りにアイスを食べに来る家族や、震災後も変わらず訪れる常連客の姿がありました。震災直後には、このアイスクリーム店がトイレや水道を提供し、避難所として地域の人々を支えたというエピソードも。思い出深い場所として、店を訪れた人々にとって、この店の存在は単なるアイスクリームの提供を超えた意味を持っています。


2月5日(月)

撮影3日目、常連の女性たちが訪れ、アイスを楽しみながら震災を振り返るシーンがありました。彼女たちは、震災で来られなかった時期もあったことを話し、今も変わらず支えてくれる人々への感謝の気持ちを語ってくれました。午後には雪が降り、寒さが一層増しましたが、それでも車で訪れる客がアイスを楽しむ姿が続きました。特に冬限定の甘酒アイスを頼んだ韓国出身の女性が印象的でした。彼女は、以前韓国の飲み屋を経営していた経験があり、渡辺真知子も来店したことがあるというエピソードも語ってくれました。

また、旅行から福島に戻ってきた夫婦のお客さんが、「心が温かいから雪の中でもアイスを食べられる」と話すシーンもありました。雪が降る中でも、アイスクリームが人々の心を温めていることが伝わってきました。


2月6日(火)

最終日、大雪注意報が出ていたものの、アイスクリーム店は通常通り営業を続けました。2時間ほどお客さんが訪れなかった時間もありましたが、店員さんは落ち着いており、ゆったりとお客さんを待っている様子が印象的でした。大雪の中でも、このアイスクリーム店は地元の人々にとって欠かせない存在であり、愛され続けていることが実感できました。


寒さの中での温かなひととき

「福島 真冬のアイスクリーム店で」というテーマの通り、冬の寒さにもかかわらず、アイスクリームを楽しみに訪れる人々の姿には、暖かな思いが詰まっていました。この店は、ただアイスを提供する場所ではなく、地域の人々が交わる温かな場所であり、特別な思い出を紡ぐ場所として、多くの人々に支えられ続けています。

雪が降る寒い季節でも、人々はこの店で心を温め、昔から続く味を楽しみながら、それぞれの生活に思いを馳せているのです。30年間続いてきたこの店の存在は、福島の人々にとって、ただの食事の場を超えた、地域の絆を象徴する場所となっていることが伝わってきました。