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大追跡グローバルヒストリー 戦国時代の日本人がメキシコへ

戦国時代の日本人がメキシコへ渡った謎の冒険──「大追跡グローバルヒストリー」で明かされた驚きの歴史

2024年7月8日に放送されたNHKの『大追跡グローバルヒストリー』では、戦国時代にメキシコに渡った謎の日本人の物語が紹介されました。この番組では、日本からメキシコへと渡った日本人奴隷の存在や、その波乱万丈な生涯が浮き彫りにされ、視聴者を驚かせました。今回は、その内容を元に、この歴史的な冒険と発見について振り返ってみたいと思います。

メキシコで発見された「謎の戦国日本人」

メキシコの首都、メキシコシティでの調査から始まったこの物語。16世紀、スペインによるメキシコ征服後、この地には数多くの歴史的遺産が残されており、番組はその中に隠された日本とのつながりを探りました。調査を進める中で、メキシコの大聖堂にある宗教画の中に、和服を着てちょんまげを結った人物が描かれていることに気付きます。この人物は、日本からメキシコへ渡った日本人の可能性があるとされ、その足取りを追い始めます。

日本人奴隷の存在──「ガスパール・フェルナンデス」

番組で注目されたのは、戦国時代の日本人奴隷「ガスパール・フェルナンデス」の存在です。彼は、今の大分県豊後国で生まれ育ち、幼少期に誘拐され、奴隷としてメキシコに渡ることになります。記録によれば、織田信長の時代、九州の戦国大名との勢力争いの中で、フェルナンデスは戦場で捕らえられ、長崎で売られたと言います。彼の物語はまるで映画のような波乱に満ちた人生をたどります。

異端審問所に連行されたフェルナンデス

フェルナンデスがメキシコに到着した後、彼を待っていたのは過酷な運命でした。新たな主人によって虐待を受け、2年もの間過酷な日々を過ごしたフェルナンデス。しかし、彼は諦めることなく、自分が奴隷ではないことを証明するために裁判を起こします。スペイン語を学んだ彼は、ペレス家の子供たちの証言を得て、見事に裁判に勝利し、奴隷から解放されました。しかし、その後の足取りは分かっておらず、最終的にはメキシコで生涯を終えたとされています。

志倉常長と福地蔵人──日本からメキシコへ

番組はさらに、メキシコに渡った日本人たちの歴史を深掘りしていきます。16世紀末、仙台藩から派遣された使節団の一員である志倉常長の話にも触れました。常長は、アカプルコに到着した後、日本との貿易ルートを開くために尽力しました。その中で、福地蔵人という人物が登場します。彼は、メキシコに残り、名前をルイス・デ・エンシオに変えて、現地の女性と結婚し、メスカル(お酒)商人として生きていきました。しかし、事業がうまくいかず、負債を抱えた彼を救ったのは、同じく日本から来たフアン・デ・パエスという人物でした。パエスは、エンシオの娘と結婚し、ビジネスの才を発揮してグアダラハラの発展に貢献します。

大航海時代とメキシコの食文化

番組では、メキシコと日本の歴史的なつながりだけでなく、当時の食文化にも触れました。大航海時代にメキシコのタコスがどのように変化したかを示す一例として、スパイシーな味の豚肉と米が入ったタコスが紹介されました。このタコスのレシピは、アジアの影響を受けて進化したもので、メキシコにおける食文化の多様性を感じさせるものでした。

メキシコと日本の歴史的つながり

最後に、メキシコと日本がいかに歴史的に深い関係を持っているかを伝える場面もありました。メキシコには、日系人が多く暮らすリトルトーキョーがあり、近年では日本食も人気を集めています。さらに、メキシコのグアダラハラ大聖堂で発見された九谷焼の壺は、日本とメキシコの文化交流を象徴する重要な証拠として紹介されました。

結び

この番組を通して、戦国時代に生きた日本人がメキシコという遠くの地でどのように生きたのか、その壮絶な物語に触れることができました。日本とメキシコの歴史的なつながりは、単なる貿易や外交にとどまらず、文化や人々の交流にも深く根ざしていたことがわかります。今後も、このような未知の歴史が解明されることを期待したいですね。