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ガイアの夜明け」伊藤園が展開するグローバル戦略

ガイアの夜明け」2024年11月8日放送:お茶で世界を制す!伊藤園の挑戦とSDGs戦略

 

2024年11月8日(金)の「ガイアの夜明け」では、伊藤園が展開するグローバル戦略に迫る特集が放送されました。今回のテーマは、「お茶」で世界を制する!という壮大な目標に向けて、伊藤園がどのように挑戦しているのか。そしてその鍵を握るのは、いま世界的に注目されているSDGs(持続可能な開発目標)です。

 

伊藤園「お~いお茶」の圧倒的な強さと新たな挑戦

 

1989年に発売され、累計販売本数が430億本を超えるという驚異的な実績を持つ伊藤園の主力ブランド「お~いお茶」。日本国内ではシェア33%以上を誇り、国内市場ではほぼ不動の地位を確立しています。しかし、その成功に甘んじることなく、伊藤園は世界市場に向けた更なる挑戦を始めています。

 

2024年4月、伊藤園は欧州進出を果たし、ドイツ・デュッセルドルフに初の現地法人を設立。この新たな一歩を踏み出した背景には、「お~いお茶」を真のグローバル飲料に育て上げたいという強い意志があります。そのために、伊藤園は欧州市場の開拓に力を入れており、将来的には中東やアフリカ市場への拡大も視野に入れています。

 

欧州進出の最大の壁:品質基準と嗜好性の違い

 

しかし、伊藤園の欧州進出には多くの課題が待ち受けています。まず、最大の壁となっているのが「品質基準・環境規制」の厳しさです。特に、減農薬や有機栽培の拡大、環境に配慮した製品作りが求められます。伊藤園では、農薬を使わずに蒸気で害虫を取り除く「蒸気防除」技術を導入するなど、環境配慮型の取り組みを進めています。

 

また、欧州ではプラスチック製品への規制も非常に厳しく、ペットボトルを使用する飲料には冷やかな目が向けられています。海洋汚染を避けるために、持続可能性を意識した製品作りが強く求められているのです。

 

さらに、現地の嗜好性の違いも大きな障害となっています。欧州では、無糖飲料はほとんど見かけることがなく、甘い飲み物が好まれます。特に「お~いお茶」の緑茶は、欧州市場で「生臭い」「青臭い」といった印象を持たれることが多く、伊藤園は現地の嗜好に合わせた製品改良を模索しなければなりません。

 

SDGsをテーマにしたマーケティング戦略

 

これらの困難な状況に直面する中で、伊藤園が打ち出しているのが「SDGsをテーマにしたマーケティング戦略」です。伊藤園は、国内で荒廃農地を茶畑に変えたり、年間5万トン以上排出される茶殻を日用品にアップサイクルしたりする取り組みを積極的に進めています。これらの活動は、欧州市場においても非常に重要なポイントとなるのです。

 

欧州ではSDGsエシカル消費が強く意識されており、伊藤園の環境への配慮や社会貢献活動は、逆に現地の消費者にとって大きなアピールポイントとなり得ます。「お~いお茶」の魅力は、単なる飲料としての品質だけでなく、その背後にある持続可能な取り組みにもあるというメッセージを伝えることが、欧州市場での成功に繋がると伊藤園は考えているのです。

 

まとめ

 

伊藤園が挑む欧州市場への本格進出は、単なるビジネスの拡大にとどまらず、SDGsを活用した新しい戦略で世界の消費者にアピールする試みです。環境規制の厳しさや嗜好性の違いという課題を乗り越え、「お~いお茶」を真のグローバル飲料にするための伊藤園の挑戦に注目が集まります。これからの展開が非常に楽しみですね。

 

次回も、「ガイアの夜明け」で伊藤園の挑戦の行方を追いかけながら、SDGsに基づいたビジネス戦略がどのように世界に影響を与えていくのかを見届けましょう!