『ポツンと一軒家』2時間スペシャル:北海道の林業家フジワラ家の感動物語と秘密の生活
2024年12月15日(日)の『ポツンと一軒家』2時間スペシャルでは、北海道の奥深い山中に住むフジワラさん夫妻の感動的な物語が紹介されました。番組では、街灯もなく未舗装の道を進み、衛星写真を頼りに到着したフジワラ家。林業を営む夫、藤原茂さんと、目が不自由で町に住む妻・美代子さんとの、遠距離生活を支える夫婦の絆が心温まる形で描かれました。
フジワラ家の歴史と生活
フジワラさんの家は、昭和26年に建てられた築73年の家。最初は小さな柾屋根だった家を、茂さん自ら修理してきました。鉄板の屋根を一度張り、さらに長尺銅板を張るなど、手間暇かけて家を守ってきた彼の姿には、ものづくりの精神が感じられます。また、家には公共水道が通っていないため、地下水を汲み上げるためのホームポンプを設置しており、電気が70年前に開通する前は、ソフトランプで夜を過ごしていたそうです。
茂さんは、もともと農家として大豆などを栽培していましたが、収入が見合わないことから47年ほど前に酪農を廃業し、林業に転職。今ではチェンソーを使いながら、山の木を伐採する仕事をしています。また、家の敷地内には、さまざまな工具や道具が保管されており、車庫には風でひっくり返った経験を持ちながらも自ら建てた手作りの施設が設置されています。
目が不自由な妻と遠距離生活
美代子さんは、目が不自由になり、現在は40km離れた町に住んでいます。茂さんは毎日、190kmもの距離を往復し、妻の元へ通う生活を続けています。16年前から別々に住んでいますが、それは美代子さんが通学のために町に住んでいたからです。今でも茂さんは、仕事が終わると町の家へ向かい、妻の介護をしています。毎日の移動と、山奥での過酷な仕事をこなす茂さんの姿には、夫婦としての深い愛情と絆を感じずにはいられません。
家族と孫たちの存在
茂さんには、釧路に住む三男一女があり、名古屋には一人の子どもがいます。子どもたちはそれぞれ遠くに暮らしていますが、茂さんは家業を守るために、長年の苦労を重ねてきました。また、孫たちは10〜11人おり、年齢層も幅広いとのこと。小学生の孫たちが家の周りで鹿の角を拾って遊ぶ様子なども紹介され、自然に囲まれた生活の中で、孫たちが育っていることに茂さんは大きな喜びを感じています。
林業の仕事と過酷な生活
毎日の仕事は非常にハードで、茂さんは早朝5時に起き、山へ向かって間伐作業を行います。林業は体力を使う仕事で、長年にわたって続けてきた努力と根気が必要です。茂さんの生活には休みがほとんどなく、その過酷さを乗り越えてきた彼の強さが伺えます。雪の降る北海道で、厳しい気候にも負けず、毎日続ける仕事に対する誇りと誠実さが感じられます。
番組の魅力と見どころ
今回の『ポツンと一軒家』は、ただの一軒家探しの番組に留まらず、人と人とのつながりや、家族の絆を深く描いた内容でした。茂さんと美代子さんの遠距離生活、そしてその間を支える茂さんの献身的な姿が、視聴者に強く印象を残しました。また、茂さんが手作りで築き上げた家や林業の仕事の様子も、北海道の厳しい自然環境を乗り越えていく力強さを象徴しています。
茂さんと美代子さんの物語は、現代の日本でも忘れがちな「家族の絆」「人と人との支え合い」を思い起こさせてくれる、心温まるエピソードとなりました。