大泉洋のルーツを探る旅—「ファミリーヒストリー」2024年12月29日放送内容を振り返る
2024年12月29日に放送された「ファミリーヒストリー」では、俳優・大泉洋さんの家族の歴史が明らかにされました。番組内では、大泉洋さんが自らのルーツを辿り、北海道や愛媛の地に生きた先祖たちの足跡を追う様子が描かれました。今回はその内容を振り返り、印象的だったエピソードをピックアップして紹介します。
1. 大泉家のルーツ—東北の武家から北海道への移住
大泉家は東北・宮城県白石市にルーツがあることが明らかにされました。最も古い戸籍には、「宮城縣刈田郡白石市本郷」と記されており、そこには白石城を居城とした片倉氏の家臣一覧に大泉姓が見られるとのこと。学芸員の佐々木さんの調査によると、大泉家は片倉家の家臣の中で一件しか存在しておらず、白石城の南東方向に屋敷があったことも分かりました。
大泉家は、戊辰戦争で仙台藩が敗れた際に家計が困窮し、家臣たちと共に北海道への移住を決意。その移住の途中、船「咸臨丸」は北海道・木古内町沖で座礁し沈没しましたが、大泉洋さんの高祖父・安定は命を助けられました。その後、彼らは別の船で小樽に到着し、石狩地方での厳しい生活が始まります。安定の働きが認められ、その土地は「白石村」と名付けられることとなり、安定自身も警察署の巡査を務めたり、村会議員を2期務めたりしました。
このルーツには、大泉さん自身も驚きの反応を見せており、番組の中で「勝手に商人とかかなと思っていた」とコメントしていました。
2. 幼少期からの学び—大泉家の教育者たち
大泉家のルーツには、教育に対する強い意志が感じられます。高祖父・安行は札幌高等裁判所で「公平で信頼される人物」として名を馳せ、その姿勢を見た子孫たちが継承していきます。大泉さんの祖父・恒三もまた、裁判所で働いた後、安田銀行に転職し、信頼を築いていました。大泉さんは祖父について「非常に愉快な人でした」と述べ、その人物像をしっかりと覚えている様子が印象的でした。
さらに、母方の家系では、大泉さんの曽祖父・肇が愛媛県松山市で伊予鉄道の駅長として活躍していたことが分かり、彼の壮絶な戦歴や命がけで参加した日露戦争についても触れられました。大泉さんは、この話を聞いて感動し、「おふくろの小さい頃の苦労話は涙が出た」と話していました。
3. 愛と苦悩の歴史—母方の清水家
大泉さんの母方のルーツは愛媛から北海道に移住した清水家にあります。祖父・泰は、ハワイで育った妻・シズコと結婚し、その後北海道に移住しました。北海道での生活は過酷で、泰の農作業はなかなか思うように進まず、貧しい生活を強いられましたが、最終的に泰は中学教師として職を得ることができました。
その過程で、大泉さんは「おふくろの小さい頃の苦労話」を知り、改めてその大変さを実感したと語っていました。これらの話を聞いたことで、彼自身の家族への感謝の気持ちが一層深まったようです。
4. 両親の愛と教育—大泉洋の誕生
大泉洋さんの両親、恒彦さんと正子さんの出会いも番組で紹介されました。二人は北海道学芸大学で出会い、結婚に至るまでの過程は少し照れくさいものであったようです。特に、恒彦さんが書いたラブレターが当時の思いを物語っており、大泉さんはそれを見て「涙が出た」と話していました。
また、父・恒彦さんは盲学校の理科教師として、目の見えない生徒たちに向けた教育に情熱を注ぎました。教え子たちからは「地球になりきって授業をした」と称賛されるほど、個別に対応した教育が行われていました。一方、母・正子さんは中学校の英語教師として、英語教育に尽力し、その姿勢が大泉さんに強い影響を与えたことが伺えます。
5. 俳優への道—両親の思いを胸に
大泉洋さんが俳優の道を歩むようになった背景にも、両親の影響が色濃く見られました。高校3年生の時、東京の名門大学を目指しましたが、試験に失敗。父・恒彦は自分が東京に進学できなかったことを悔やんでおり、子供たちにはやりたいことをさせてあげたいと強く願っていました。その後、地元の北海学園大学に進学した大泉さんは、演劇研究会に入部し、劇団TEAM NACSを結成。俳優としての道が開け、今では日本を代表する人気俳優となりました。
母の正子さんは、大泉さんが俳優としてテレビに出演することを楽しみにしていましたが、最初は緊張して見ていたそうです。父・恒彦の同僚は、大泉さんをテレビで見るたびに恒彦の姿が重なると語り、大泉さんの俳優としての道に親の影を感じていることがわかります。
6. 最後に
「ファミリーヒストリー」の今回の放送では、大泉洋さんのルーツを深く掘り下げることで、彼の人柄や家族との絆の深さが改めて浮き彫りになりました。厳しい環境の中で生き抜いた先祖たちの苦労や、愛情深い両親から受けた教育が、現在の大泉さんを形作っていることがよく分かりました。
この番組を通じて、大泉洋さん自身が自分のルーツにどれほど感動し、家族に感謝しているのかが伝わってきました。家族の歴史を知ることは、未来への強い希望と誇りを持つことにつながるということを改めて感じさせてくれる内容でした。