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所さんの目がテン 国友一貫斎 国産反射望遠鏡 鉄砲鍛冶職人&発明家

200年前の天体望遠鏡と国友一貫斎の革新の精神:日本のものづくりの先駆者

2024年12月15日放送の日本テレビ「所さんの目がテン!」では、江戸時代中期から後期に活躍した天才発明家、国友一貫斎が取り上げられました。一貫斎は、鉄砲鍛冶職人として名を馳せるだけでなく、空気の性質を理解し、現代に繋がる多くの発明を生み出しました。今回は、その革新の精神と、特に彼が作った「国産反射望遠鏡」にスポットを当て、その素晴らしい技術を紹介します。

ものづくりの天才、国友一貫斎

国友一貫斎は、現在の滋賀県長浜市国友町に生まれました。この地域は、江戸時代には火縄銃の一大生産地として知られており、最盛期には70軒の鉄砲鍛冶と500人以上の職人が働いていました。国友家に生まれた一貫斎は、鉄砲鍛冶の名手として成長。その後、火薬を使わず空気の圧力を利用した「気砲」などを発明し、科学者としても知られるようになります。

空気銃の発明と「気砲」

一貫斎が特に注目したのは、江戸時代にオランダ製の空気銃を見たことでした。この銃は火薬を使わず、空気を圧縮して発射する仕組みです。空気の性質に興味を持った一貫斎は、自ら空気銃を作るために試行錯誤を重ねます。空気をいれることで重さが変化し、圧力の存在に気づいた一貫斎は、その原理を「気砲」に応用しました。気砲は、動物の皮を使った弾力的な弁で密封し、空気が漏れないよう工夫されていました。その精巧さにより、オランダ製の空気銃を超える威力を持っていました。

「東洋のエジソン」としての業績

一貫斎は、空気銃だけでなく、様々な発明を手掛けました。たとえば、万年筆の先駆けともいえる懐中筆や、より明るい照明を作るための玉燈など、時代を先取りするアイデアを次々と形にしました。さらに、現存する日本最古の飛行機設計図や井戸掘削機の設計図も残しており、その創造力は現代の技術者たちにも影響を与えています。

国友一貫斎の反射望遠鏡

一貫斎の最も偉大な成果の一つが、国産反射望遠鏡の製作です。彼は、オランダ製の反射望遠鏡に触発され、その仕組みを日本で再現しました。反射望遠鏡の重要な要素は、光を集めて対象物を鮮明に映し出す主鏡の精度です。主鏡は放物線状でなければならず、わずかな歪みでも機能しません。このような高度な技術を駆使し、一貫斎は非常に精度の高い反射望遠鏡を完成させました。2019年には、その鏡の精度が現在の市販品と比較しても非常に優れていることが確認されています。

現在の天体観測でも通用する技術

番組では、一貫斎の作った反射望遠鏡を使って実際に天体観測が行われました。その結果、金星をしっかりと観察することができ、一貫斎の技術の高さが証明されました。この望遠鏡は、200年前に作られたとは思えないほど高精度で、現代の技術者たちをも驚かせています。

結びに

国友一貫斎は、鉄砲鍛冶職人としての技術にとどまらず、空気の性質を理解し、反射望遠鏡などの発明を通じて、天文学や科学に大きな貢献をしました。彼の発明は、ただの技術ではなく、時代を先取りした革新の精神に満ちています。約200年前の天体望遠鏡が今も現役で使われていることは、彼の偉大さを証明するものです。国友一貫斎のような先人たちの功績に敬意を払い、今後のものづくりの精神を大切にしていきたいですね。