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宮崎県都城市 郷土料理 ねりくり ねったぼ

宮崎県の伝統的な「ねりくり」—甘藷(かんしょ)と餅の絶妙なハーモニー

宮崎県の都城市を中心に伝わる、伝統的な郷土料理「ねりくり」。この料理は、甘藷(かんしょ)と餅を使った、香ばしくて美味しい一品です。甘藷の風味が引き立ち、きな粉をまぶして食べることで、その味わいが一層引き立ちます。今回は、「ねりくり」の歴史や作り方、地域の風習について紹介します。


ねりくりとは?

「ねりくり」は、宮崎県都城市で主に食べられている料理で、甘藷(かんしょ)と餅を使って作られる芋餅の一種です。餅と蒸した甘藷を一緒に練り混ぜて作るため、「ねりくり」という名前が付けられました。地域によっては「ねったぼ」や「ねったくり」、「からいも餅」などとも呼ばれています。

江戸時代から続いているとされ、もともとはお正月に餅をついた後の最後の一臼に、煮た甘藷を加えて搗きあげて作られていました。このように、余った餅を使って作られるため、保存食としても重宝されてきました。また、農家の間食としても食されてきました。


主な食材とその特徴

「ねりくり」の主な食材は、甘藷(かんしょ)と餅です。宮崎県では、さつまいものことを「甘藷(かんしょ)」と呼び、これを使った料理が豊富です。

  • 甘藷(かんしょ):甘みが強く、栄養価も高いさつまいも。甘藷は蒸してから使用され、餅と混ぜることで、ほっこりとした甘さが引き立ちます。
  • :お正月に作った餅や余った硬くなった餅を使用します。これを甘藷と練り混ぜることで、食感と風味が増します。
  • きな粉:完成した「ねりくり」にまぶすことで、香ばしさが加わり、食べやすさがアップします。

作り方

「ねりくり」の作り方はとてもシンプルで、家庭でも手軽に作れるため、年末年始の風物詩として楽しまれています。以下に、約40人分のレシピをご紹介します。

材料(約40人分)

  • 甘藷(かんしょ):3kg(正味)
  • もち米:1升(1.5kg)
  • きな粉:1袋(大さじ)
  • 調味料A(白砂糖:1kg、塩:大さじ1)

作り方

  1. もち米の準備:もち米を洗い、10時間ほど水に浸しておきます。
  2. 甘藷の準備:甘藷は皮をむき、乱切りにして水に浸けてアクを抜きます。
  3. 蒸す:水切りしたもち米と甘藷をそれぞれ蒸します。
  4. 餅をつく:蒸し上がったもち米を餅つき機でつきます。
  5. 甘藷を混ぜる:もち米がつきあがったら、蒸した甘藷を加えてさらにつき混ぜます。
  6. 調味料を加える:調味料A(白砂糖と塩)を加えて、再びついていきます。
  7. 型に流し入れて固める:きな粉をひいた型に流し入れ、お好みの大きさに切り分け、上からきな粉をふりかけて完成です。

食べ方と楽しみ方

「ねりくり」は、お正月の餅つきの後に作られることが多く、余った餅を使って手軽に作ることができます。また、作りたての「ねりくり」にきな粉をまぶして食べると、その香ばしさと甘さが口の中で広がり、心も体も温まります。家庭で手作りすることで、家族や友人と一緒に食べることができ、食卓にぴったりな一品です。

さらに、ねりくりの中に小豆あんを入れてアレンジを加えることも可能です。自分の好みに合わせて、おやつや間食として楽しむことができます。


保存と継承

「ねりくり」は、宮崎県内で広く食べられ、今も多くの家庭で親から子へと受け継がれています。また、JA宮崎経済連のウェブサイトには、ねりくりのレシピが紹介されており、地域外の人々にもこの伝統的な料理が広がっています。

さらに、宮崎県内のスーパーマーケットや道の駅などの物産販売所では、「ねりくり」の具材や手作りセットが販売されており、県外からの観光客にも楽しんでもらえるようになっています。


まとめ

宮崎県の伝統的な郷土料理「ねりくり」は、甘藷(かんしょ)と餅を使ったシンプルで美味しい料理です。甘藷の甘みと餅のもちもち感、そしてきな粉の香ばしさが絶妙に組み合わさり、家庭で手軽に楽しむことができます。お正月に限らず、おやつとしても親しまれており、今も多くの家庭で受け継がれています。ぜひ、あなたもこの伝統的な一品を作ってみて、宮崎の味を楽しんでください。