2025年2月7日放送のNHK総合番組「チコちゃんに叱られる!」では、興味深いテーマが取り上げられました。今回のエピソードでは、「なんで体験したこともないのにレトロなものを見ると懐かしいと感じるの?」という疑問に焦点を当てました。
レトロの不思議
この問いに対して、岡村隆史さんが正解を導き出しました。その答えは、「親が懐かしがっているから」というものでした。つまり、子どもたちは自分自身の経験ではなく、親の懐かしさを通じてレトロなものに対する感情を抱くのです。
このテーマについて解説を行ったのは、浅岡隆裕教授。教授は「レトロ」という言葉が「レトロスペクティブ」(古き良きものを懐かしむ)から来ていることを説明しました。浅岡教授は、レトロスポットとして「都電荒川線」の「三ノ輪橋停留場」や、色鮮やかな看板が特徴的な「ジョイフル三の輪商店街」を紹介しました。
レトロブームの歴史
番組では、レトロブームの強弱があるものの、昔から続いていることにも触れました。1980年代後半のバブル期に流行したダンスが2017年に再びブームとなったり、1980年代にはレトロ観光地ブームが訪れ、門司港レトロなどが多くの人々を惹きつけました。これらの歴史的建造物が残っているのは、明治時代の人々がレトロ愛を持ち、町並みを保存したからだとされています。
浅岡教授は、体験したことのないレトロなものに懐かしさを感じる理由を「社会的共通体験」と説明しました。親が懐かしいと思うものが子どもに刷り込まれ、伝承されていくのです。
スタジオトーク
スタジオでは、チコちゃんが「懐かしいと思うものは何か?」と尋ねられ、「4歳のころの私」と答えました。この一言からも、レトロなものに対する感情が個々の思い出と深く結びついていることが伺えます。
このエピソードは、レトロなものに対する感情や文化の背景を考える良い機会となりました。親から子へと受け継がれる懐かしさの感情は、私たちの生活や文化にどのように影響を与えているのか、改めて考えさせられる内容でした。