昭和の常識はもう古い!?令和の新常識でかぜ対策を見直す
2024年10月10日の『林修の今知りたいでしょ!』では、寒暖差が激しくなるこの時期に気をつけたい「かぜ対策」について、9人の医師や専門家が最新の新常識を紹介しました。かぜの予防や治療に関する考え方が大きく変わり、昭和の当たり前がもう通用しない時代が来ています。今回は、かぜ対策の「令和の新常識」をいくつかピックアップし、どのように実践すべきかをご紹介します。
1. かぜ予防にビタミンD!
従来、かぜ予防にはビタミンCが有効とされてきましたが、最近の研究ではビタミンDがより効果的だと判明しました。ビタミンDは、食事だけでなく、1日約20分の日光浴で体内で生成されます。また、ビタミンDは免疫細胞を活性化させ、腸内環境を整えることでかぜの予防に大きな効果をもたらします。ビタミンCは、かぜをひいた後の免疫力向上には役立ちますが、予防にはビタミンDを摂取する方がより効果的です。
2. かぜひき始めにお風呂はOK
「かぜをひいたらお風呂に入らない方がいい」というのはもはや古い常識。現代では、かぜのひき始めで熱がない場合、むしろお風呂に入ることで体温を上げ、かぜウイルスを退治しやすくすることがわかっています。ぬるめの温度(37~38℃)の湯に浸かることで、ウイルスが死滅しやすくなります。また、お風呂に入ることで体についたウイルスを洗い流すこともでき、感染を広げにくくする効果があります。
3. かぜひき始めは軽い運動で免疫力UP
かぜをひき始めて熱がない場合、軽い運動で免疫力を上げるのが新常識です。運動をすると体温が上がり、多少のウイルスを撃退することができます。もちろん、無理に激しい運動をする必要はありませんが、ウォーキングや軽いストレッチなどで体を動かすことが有効です。また、入浴やしょうが湯なども免疫力を上げる手助けになります。
4. 熱が出たら首・脇・鼠径部を冷やす
昔はおでこを冷やすことで熱を下げようとしていましたが、実はおでこを冷やしても体温は下がりません。新常識として、熱を下げるには首、脇の下、鼠径部(太ももの付け根)を冷やすことが効果的だとされています。これらの部位には太い血管が通っており、冷やすことで体温を効率よく下げることができます。
5. かぜをひいたら無理に食べなくても良い
かぜをひいたときに「栄養を摂らなければ」と無理に食べるのは逆効果の場合があります。体調が悪いと腸の動きが鈍くなるため、無理に食べることで消化不良を起こすことがあります。また、風邪薬を服用する際、空腹時に飲むと胃粘膜を荒らす可能性があるため、胃腸に優しい食事が推奨されます。オススメは、おかゆやマルチビタミン入りのゼリー飲料など、消化に良い軽食です。
6. 無理に汗をかかず自然に汗をかこう
かぜを治すためには無理に汗をかくのではなく、自然に汗をかくことが大切だという新常識も紹介されました。無理に汗をかいても、かぜウイルスは死滅しません。重要なのは、こまめな水分補給と自然な発汗です。体が発汗することで、ウイルスを体外に排出する手助けとなります。
7. インフルエンザ予防にはうがいより手洗いが効果的
うがいは風邪予防には効果的ですが、インフルエンザの予防にはそれほど効果がないことがわかっています。さらに、うがいをすると、かえって菌が飛散してしまう可能性があるため、注意が必要です。インフルエンザの予防には、手洗いやマスクの着用がより効果的です。
まとめ
かぜ対策についての新常識は、今までの常識とは大きく異なり、より科学的なアプローチが取られています。ビタミンDを摂取することや、かぜのひき始めにはお風呂に入る、軽い運動をするなど、現代の生活に適した方法が紹介されました。寒暖差が激しい時期、かぜをひかないように予防するとともに、もしかぜをひいてしまった場合でも、無理に食べたり汗をかいたりせず、適切な対処を行うことが大切です。